実例でみる悪徳住宅診断業者とは
住宅診断(ホームインスペクション)を行う業者は様々で、住宅診断を専業にする会社や設計や工事監理との兼業の会社、そして不動産会社が行う会社もあります。不動産会社やリフォーム会社の関連会社や提携業者も増えています。住宅診断の第三者性、中立性の大事さは「住宅診断の第三者性と業界の問題点」でも触れている通りですが、実際にあった悪徳業者の事例をご紹介します。
床下で配管をワザと壊した住宅診断業者の事例
ある中古住宅で、住宅診断(ホームインスペクション)を行いました。依頼されたお客様のご要望で床下へ診断担当者が潜り這って移動していき、移動できる範囲で調査を行います。お客様が一緒に床下へ潜るわけにもいきません(危険です)ので、担当者は床下の写真を撮影しておき、写真を示してお客様へ調査結果などを説明させて頂きます。その診断の際には床下では特に大きな問題もなく、無事にその中古住宅を購入されました。
しかし、購入後にリフォーム業者に工事見積りを出してもらうことにし、そのリフォーム業者が「無料で診断します」と仰って床下なども点検したそうです。そして、その結果、床下で配管がはっきりとはずれている、、、
お客様は驚いて連絡をしてこられました。「購入前の住宅診断で見落としではないですか?」と、、、指摘を受けてアネストも驚きです。配管がはっきりとはずれいて気づかないはずがありません。
そこでアネストの担当者が調査した際の写真を確認しましたところ、どう見ましても配管に問題はありません。証拠の写真も残っています。つまり、リフォーム業者が点検時に自ら配管をはずした疑いが持ち上がったわけです。お客様がリフォーム業者を追求したところ、話をはぐらかしたうえで床下へもう一度確認と称して潜り、出てきたときに「無償サービスで治しておきました」と、、、
ばれてしまったので補修したのでしょう。恐るべしですね、、、
こういった悪徳な行為は床下で行われることが多いです。その理由は、お客様が一緒に床下へ潜ることがないため、ばれないだろうと考えているからですね。住宅診断という言葉を使用した悪徳業者の点検商法もありますのでご注意ください。普及してきた住宅診断を悪用するケースは今後も増えそうです。
他にもあった悪徳事例
床下における悪徳な事例は他にもいくつも確認されています。たとえば、床下で漏水があるとリフォーム業者による点検で指摘を受けたのですが、実際には漏水していなかった。これもその業者がペットボトルか何かで水溜りをつくって写真を撮っていた疑いがあります。
また、白蟻被害があると聞いて現場へ急行すると、実際には何も問題が無かったケースもあります。白蟻に関する問題は何度かありましたが、現場へ急行するという話を聞いただけで、「あれは勘違いだった」と白状した業者もありました。
床下以外では、外壁の劣化状態がひどいため、すぐに外壁を全面塗装しなければいけないと言われた人から相談を受けて、住宅診断をしたところ緊急性は全くなく、そもそも状態がよいため、当面はそのままで問題ないケースもありました。ちょっとしたひび割れだけを根拠にすぐに塗装し直す必要があるというのは無理があります。
多くのケースでは、リフォーム業者やその提携会社による住宅診断で確認されていることですから、注意してください。