住宅診断(ホームインスペクション)の相場を知りたい

気になる住宅診断(ホームインスペクション)の料金・費用はどれぐらいでしょうか。業者によって金額が異なりますので、ある程度の相場感は把握しておきたいものですね。ただ、安くて質を落としていたり、裏で不動産会社と提携していたりと見えない部分の問題点もあります。料金は住宅診断会社によって、多少の差があるものの凡そ以下の範囲です。

基本的な調査範囲の料金・費用

5~7万円程度

基本的な調査範囲とは、床下や屋根裏を点検口などからのぞいて確認する範囲であり、床下や屋根裏へ診断者が進入しないものです。

床下や屋根裏へ進入して調査する料金・費用

9~14万円程度

上記には基本的な調査の範囲も含まれており、床下と屋根裏へ進入して移動可能な範囲でも調査を行うものです。

ある程度の地域差があるので、関東・関西・東海以外ではもう少し安めの相場感です。なかには、経験等が不足する人件費の安い人材を活用したり、報告書を簡素化したり(報告書はかなり重要!「住宅診断(ホームインスペクション)の報告書・レポート」)、情報共有等の熟練度・技術力の向上にコストをかけない方法で住宅診断(ホームインスペクション)を提供する業者も出現しておりますので、上記よりも安い住宅診断会社には注意した方が良いでしょう。

「住宅診断の料金・費用が高い = 能力が高い」ということではありませんが、「住宅診断の料金・費用が極端に安い = 能力が低い可能性が高い」と考えることはできます。住宅診断(ホームインスペクション)のコストの大半は人件費(報酬)ですが、「能力と報酬は概ね比例する」ことから安さは能力に直結しやすいのです。

そして、そういった診断会社は、不動産会社と提携して消費者のためのサービスでなくなっていることもあるので、より注意しなければなりません。一部では、不動産会社との提携時には別会社の名称を使用していることも確認されています。信頼性こそが最も大事な住宅診断ですから、この点には注意したいですね。

売主向けや不動産業者の斡旋ならもっと安いが買主は要注意

中古住宅を中心に、売主や不動産業者向けに住宅診断(ホームインスペクション)を提供する会社が増えました。これらには、調査内容を最小限のものに絞り、価格も安く抑えたものが多いです。

買主が住宅診断の利用を不動産業者に申し出たとき、そういった診断を斡旋されるケースが多いですが、斡旋される診断サービスの多くは、買主にとっては不足する調査内容や報告内容であることが多いため、十分な注意が必要です。

大事な項目なのに、調査してもらえないものがいくつもあり、調査対象の項目なのに極端な問題しか報告されないことも多いです。買主が、購入判断や購入後の補修・メンテナンスに活用するために必要な調査としては不十分なので、自分自身で買主向けの住宅診断(ホームインスペクション)を探して、依頼するよう心掛けましょう。

料金の相場だけではなく、低価格なインスペクションや費用負担のことなどについて、もっと詳しく知りたい方なら、「ホームインスペクションの費用はいくらかかるか」が参考になるので読んでみてください。