(質問)
中古住宅(既存住宅)を買う時の既存住宅売買かし保険や中古住宅の保証は利用価値のあるものでしょうか?多くの人が利用するのでしょうか?
住宅診断(ホームインスペクション)に関するQ&Aの回答
「既存住宅売買かし保険(1)中古住宅を買うなら保険を利用すべき?」の続きです。宅建業者(不動産業者)や住宅検査会社が保証し、それに保険がつくのであれば、これからの中古住宅購入では既存住宅売買かし保険を誰もが利用するような状況になっていくのでしょうか。この点はまだわかりませんが、少なくとも多くの業界関係者がこの保険と保証に注目しているのは事実です。
買主の立場で見たときに、既存住宅売買かし保険は便利で安心できるものなのか考えてみましょう。これは、買主が必要だと感じたとき(欠陥が発見されたとき)に保険金が支払われなければ、買主のメリットがありません。保険金がおりるケースにおいて宅建業者(不動産業者)や住宅検査会社が保証するのであれば、買主が請求さえすれば保証してもらえるわけではありません。
保険の対象となっている事象は、「構造耐力上主要な部分(柱・梁・基礎・土台など)に瑕疵があったとき」と「雨漏りしたとき」です。このほかにオプションで給排水管路や給排水設備・電気設備を対象とすることも可能です(オプションの利用可否は保険法人によって異なる)。
雨漏りは実際に漏れが生じたときに確認が容易で、判定しやすいものですから、保険の対象として認められる確率は高いでしょう。一方で、構造耐力上主要な部分の瑕疵は判断が容易ではなく、買主と保険法人の間で意見が対立する可能性が少なくありません。せっかく保証してもらい、保険に加入している(加入者は不動産業者か住宅検査会社)にも関わらず保証・保険の対象外と判断される事例は出てくると予想されます。実際に保証・保険の対象とすべきか判断が微妙なケースはありうることですから、既存住宅売買かし保険があれば絶対安心というわけではないことを理解しておきましょう。
ただ、中古住宅を購入してすぐに雨漏りの被害にあうということは少なくありませんので、比較的、保証・保険の対象として認められやすいと予想される雨漏りへの対応としてはよいと言えそうです。ちなみに、住宅診断(ホームインスペクション)を依頼すれば、通常は雨漏り被害の有無も調査項目に入っています。しかし、その時点でまだ生じていない、もしくは表面化していない(室内側に染み等の症状がない)場合には住宅診断(ホームインスペクション)でも気づかないこともあります。買った後に、雨漏りが生じるリスクがあるため、保証・保険は有効だといえます。
また、この中古住宅の保証・保険は全ての中古物件に対して利用できるわけではありません。既存住宅売買かし保険の引き受け元である瑕疵保険法人が定める基準があり、その基準に合格した住宅でなければかし保険の対象とならないのです。何でも加入できてしまっては保険が破綻してしまいますから当然です。
この基準はけっして緩いものではないため、残念ながら既存住宅売買かし保険に加入できない中古物件は多いです。かし保険に加入できない物件だとわかるとその住宅を買ってよいものか不安になる買主も多いと思われますが、あくまでもかし保険に加入できないからといって粗悪な住宅だと単純に判断すべきものではありません。既存住宅売買かし保険の基準はやや厳しいものであることは認識しておきましょう。
保証・保険を検討する場合は、アネストの中古住宅建物保証(既存住宅かし保険付き)サービスを見てみましょう。