住宅診断(ホームインスペクション)を依頼するときに、住宅診断と耐震診断を同じものと誤解していることがあるので、その違いについて解説します。
正しく理解されていない耐震診断
住宅診断(ホームインスペクション)の利用を検討している方から、耐震診断という言葉を伺うことも多いです。消費者の皆様が耐震診断という言葉を使うときに、その言葉の意味を理解していないことも多いので、住宅診断や耐震診断を行う会社も注意して対応しなければなりません。以下は一般的な「住宅診断」と「耐震診断」の解釈です。
住宅診断
建物の劣化状態や新築工事の施工精度・品質をチェックし、その建物を長持ちさせるために必要な箇所等のアドバイスを行う。構造に関することも設備・内装に関することも含まれるが、耐震性の計算等は行わない。
耐震診断
建物の耐震性がどの程度であるか診断し、必要に応じて補強箇所・内容のアドバイスを行う。但し耐震補強の設計は別扱いであることが多い。また、耐震性を数値で表記するものの、設備や内装、耐震に無関係な劣化状態には触れないため、これだけで住宅購入の参考とはし辛い。
上記の違いがあるのですが、わかりづらいでしょうか。住宅診断(ホームインスペクション)も耐震診断も大事なことではありますが、耐震診断は必要な情報を得られない場合にその診断結果の精度が極端に低くなることが多く、その意義が疑問視されることもあります。得られた情報だけで無理に計算してしまうからです。
木造住宅であれば、住宅診断(ホームインスペクション)と耐震診断を組み合わせて利用することで、住宅購入の判断材料として有効なものとなるでしょう。