どこまで調査してもらいますか?
住宅診断を依頼する上で気になることの1つに、「どこまで調査してもらうか?」という問題があります。つまり、調査範囲です。「住宅診断の調査範囲・調査内容」に、建物の屋外や室内で調査する項目を上げていますし、床下や小屋裏で調査する項目もあげていますが、基本的にはいずれも大事なことばかりです。
しかし、床下や屋根裏の調査まで依頼する必要があるのだろうかと悩む人も少なくありません。そこで、床下や屋根裏の調査が如何に重要なものであるか説明しましょう。
床下の調査は重要
住宅診断をするうえで、1つの症状だけを見て判断するのではなく、いくつかの症状を確認したうえで総合的に判断しなければならないことが数多くあります。
たとえば、1階のリビングの床に傾きが見つかったとします。「床が傾いているのなら危険な建物だ」と判断するのは早計です。床の傾きは、下地材や根太の劣化が原因であることもありますし、建物の全体の歪みや傾きが原因で起こっていることもあります。傾きというのは1つの症状ですから、原因をあわせて考えなければ判断を誤ることもあります。
「何か他に関係のある症状がないか?」
これが大事なのですね。基礎にひび割れがないか、壁にひび割れがないか?他にも傾いているところがないか?床下の土台や大引きの状態はどうか?根太はどうなっているか?と確認していくことで、ようやく傾きの原因をわかってくるわけです。
床下までしっかり調査することによってわかるわけです。
ちなみに、床下では、給排水管からの漏水や勾配の問題、断熱材の状態、土台や基礎などの主要構造部分まで見ることができます。
屋根裏の調査も重要
雨漏りしているかどうかは住宅購入時には非常に気になることです。雨漏り被害の有無を確認する箇所は、壁や天井、サッシ周りが大事なポイントなのですが、もう1つ、屋根裏の確認も非常に重要です。屋根の裏面(野地板)に水染みがあれば雨漏りの可能性が疑う必要がありますが、屋根裏を調査しなければ確認できません。
ほかにも、断熱材の状態や梁などの主要構造部分を調査することもできますから、屋根裏も見ておきたいものです。
住宅診断費用は高くつくが効果抜群
床下や小屋裏の調査は大事な役割を果たしますから、やはり床下と小屋裏の調査もした方がよいでしょう。但し、床下や屋根裏内部まで診断してもらう場合、どうしてもその分、費用がたかくなります。床下も屋根裏も進入して調査する作業は手間・労力がかかることですから、やむを得ないものです。
住宅診断をする機会はそう多くありませんので、住宅診断の費用が少々高くなってでも依頼を前向きに検討されてはいかがでしょうか。