住宅を購入した人ならば、多くの人が住宅ローン控除を受けたいものです。しかし、住宅ローン控除は住宅を購入した全ての人が対象となるわけではなく、意外と対象外となる人も多いです。対象外となる要件の1つが、築年数です。築20年を超える木造住宅を購入するときには、ある条件を満たさなければならないのです。
以降では、この辺りのことを詳しく説明していきます。
1.住宅ローン控除と耐震診断
築20年超の中古住宅を購入した場合、住宅ローン控除を受けるためには耐震診断などをしておく必要がありますが、この2つのキーワード(住宅ローン控除と耐震診断)について説明します。
1-1.住宅ローン控除とは?
まずは住宅ローン控除から説明します。住宅ローン控除とは、住宅借入金等特別控除と呼ばれるもので、住宅ローンを利用して住宅を購入・新築・増改築したときに、その年の住宅ローンの年末残高に応じて所定の計算によって導き出した金額を所得税額から控除するものです。
つまり、住宅ローンを利用してマイホームを購入すれば、税金が安くなるわけです。これは、当然ながら利用したい制度ですね。
1-2.築年数が20年超なら耐震診断等が必要
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用すれば、誰でもどんな物件でも対象になるのかといえば、そうではありません。要件があり、これを満たさなければなりません。その要件の1つに、木造住宅ならば築20年以下というものがあります。
この時点で築20年超の中古住宅を購入してしまったから、ローン控除を受けられないのかといえば、そうとも限りません。20年超の木造である場合であっても、耐震診断を実施して耐震基準適合証明書を取得している場合には控除の対象となりえるのです(他の方法もある)。
耐震診断を行うことで、ローン控除を受けられるならば利用したいということで、多くの人が住宅購入時に耐震診断を利用しています。但し、この診断の結果、基準に適合していなければ、耐震基準適合証明書を発行してもらうことができず、結果的に控除されないこともあることを知っておきましょう。
ちなみに、耐震診断のほかには、住宅性能評価書や既存住宅売買瑕疵担保責任保険による方法もあります。
注意すべきなのは、住宅診断(ホームインスペクション)と耐震診断が異なるということです。中古住宅の購入時に住宅診断を利用する人が増えていますが、これと耐震診断は似て非なるものですから、住宅診断しか利用していない人であれば、耐震診断も依頼する必要があります。
また、購入した物件の引渡しを受ける前に利用しておく必要があることも注意したいことです。
2.住宅ローン控除のための確定申告の基礎知識
住宅ローンを利用して住宅を購入した人が、住宅ローン控除を受けるためには確定申告をしなければなりません。ここでは、確定申告の基礎的な知識をご紹介します。
2-1.確定申告の必要書類
確定申告の際に必要な書類としては以下のものがあります。
- 借入金残高証明書(複数の場合もある)
- 住民票の写し
- 登記事項証明書
- 売買契約書の写し
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 長期優良住宅の認定証と住宅家屋証明書(長期優良住宅の場合)
- 耐震基準適合証明書等
借入金残高証明書とは、銀行から交付されるもので、毎年、年末になれば送付されてくるはずです。また、複数の銀行で融資を受けている場合には、そのすべてから交付されますから、全ての証明書が必要となります。
登記事項証明書は法務局で入手できるものです。法務局へ行って取得方法を質問すれば、手続きを教えてもらえますし、その場ですぐに受け取れます。
耐震基準適合証明書等は、前述の通り耐震診断を行って要件を満たした人が必要とする書類です。
2-2.確定申告の時期
最後に確定申告の時期についてです。会社員の場合、これまでに確定申告をする機会がほとんどないために時期を知らない人も少なくありません。個人の確定申告は2月16日から3月15日です。確定申告になれていない人であれば、2月前半のうちに事前準備を始めておいた方がよいでしょう。
住宅ローン控除の手続き代行を行う税理士事務所もあるようですから、面倒であれば依頼を検討してもよいのではないでしょうか。(住宅ローン控除・ローン減税の手続き代行の税理士をご紹介)
○関連サービス