住宅診断(ホームインスペクション)の所要時間と不動産業者の立会い

住宅診断(ホームインスペクション)の所要時間

はじめて住宅診断(ホームインスペクション)を依頼する人にとって、調査時間がどれくらいかかるのか想像するのは難しいでしょう。依頼するのも初めてなら、診断に立ち会いするのもはじめてだからです。

依頼に際して、不動産業者や売主と開始時間などの話し合いをするときには、所要時間は欠かせない情報ですから、ここで事前に把握してから、不動産業者へ住宅診断の申し入れをするとよいでしょう。

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◆住宅診断(ホームインスペクション)の所要時間は?

一戸建て住宅の住宅診断(ホームインスペクション)の所要時間は、建物の大きさや指摘事項の量、調査する範囲などによって大きく左右されます。1つ1つの条件を分けて解説するのは難しいことなので、ここでは、建物面積が30坪(約100㎡)の住宅について説明します。面積の大きさによって所要時間が異なることは理解しておきましょう。

◇床下・小屋裏の診断無しの場合

住宅診断の対象範囲が、建物外部(基礎・外壁など)と建物内部(室内)として、床下と小屋裏については点検口から覗き見るところまでとした場合、概ね1.5~2.5時間程度です。しかし、一般的には床下や小屋裏の内部まで調査依頼する人が多いですから、その場合は以下をご確認ください。

◇床下・小屋裏の診断有りの場合

床下へ点検口から潜っていき、移動できる範囲で調査を行うことや、小屋裏(屋根裏)へ上って移動できる範囲で調査を行うことは、オプションとなっていることが多いです。建物によっては、床下や小屋裏へ進入できないこともあるため、その方が費用負担の点では公平ですね。

床下や小屋裏へ進入する調査は、その内部の状況にもよりますが、それぞれにおいて30分程度の時間がかかります。両方へ進入すると1時間程度ということです。つまり、床下・小屋裏以外の所要時間と合わせると、2.5~3.5時間程度かかるというわけです。

◇指摘事項が多い物件

診断の所要時間は、単純に建物面積(大きさ)と調査範囲(床下・小屋裏)のみで判断できるものではありません。実際に現地に入ってみて調査を進めていくなかで、時間が長くかかる物件とそうではない物件があるのです。

診断時に指摘事項が多い物件であれば、それを記録するだけの時間が余分にかかりますし、立会いされている人(基本的には依頼者)への説明にも時間がかかりますね。

つまり、新築住宅でも施工不具合が多い物件は時間が長くかかる傾向にありますし、中古住宅でも著しい劣化や不具合が多い物件では時間がかかります。

ちなみに、築年数が古い中古住宅は、劣化事象が多いために調査時間もながくなりがちです。

不動産業者の立会い

◆不動産業者は最初から最後まで立ち会うべきか?

不動産業者に対して住宅診断(ホームインスペクション)を依頼するので受けいれて頂くよう申し入れしたとき、その不動産業者から「自分たちもずっと立会う必要があるか?」と聞かれることがあります。

不動産業者もいろいろな業務があり忙しいですから、いつでも、いくらでも立ち会えるわけではないので、それぞれの都合を確認しながら調整する必要があるのです。

◇不動産業者の立ち会うべきタイミング

新築住宅ならば、診断の開始時と終了間際に立ち会って頂く必要があります。開始時は開錠して頂く必要があるので当然ですね。終了間際は、指摘事項などの伝達のためと施錠して頂くために必要です。

また、中古住宅においても開始時と終了間際の立会いが必要ですが、空き家で全く荷物がないとき以外はできる限りずっと立ち会って頂く方が安心です。荷物がたくさんあるにも関わらず、売主も不動産業者も立会わないという話を伺うことがありましたが、物の紛失・破損などについてトラブルにならないためにも避けた方がよいです。

本来ならば、不動産業者も売主から鍵を預かり物件の管理を任されている責任もあるので、不動産業者側から見ても立ち会うべきところですが、時間がなくてそういった対応をするケースがあったようです。両者のためにあまりお勧めできないことです。

もちろん、最初から最後まで立ち会ってもらえるならそれがよいのですが、他の仕事もあり難しいことは少なくありません。

◇新築なら建築業者の立会いが理想

診断時の立会いが不動産業者(仲介業者)のみということもありますが、新築の建売住宅の場合、売主や建築業者(工務店)にも立ち会って頂くことが理想です。仲介業者は建物のことに詳しくない人が多いため、出来れば売主か建築業者の立会いが望ましいです。

特に建築業者の立会いがあればよりよいです。施工不具合があったときに、現場に詳しい人に指摘事項を直接伝達できることは、依頼者はもちろん関係者の皆様にとっても話がスムーズでよいからです。

しかし、売買契約前の建売住宅の場合、建築業者が立ち会ってもらえるケースは少なく、仲介業者のみが立会いとなることも多いです。この場合、指摘事項は仲介業者から売主へ伝達して頂くようお願いしましょう。

契約後、引渡し前に行う住宅診断なら、建築業者も立会うことはよくあります。その場合で、最初から最後までの立会いが難しいときは、最後の30分~1時間のところに立会いして頂き、指摘事項を伝えらえるようにするとよいでしょう。

一戸建ての住宅診断(ホームインスペクション)の所要時間と不動産業者の立会いについてご紹介しました。所要時間は物件の条件や調査範囲によって大きな差異があること、不動産業者の立会いについては柔軟な対応が必要であるということですね。

新築住宅診断(ホームインスペクション)
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