中古住宅の売買契約を締結して、住宅ローンの本審査も合格すれば、残代金の支払いと引渡しを行う時期になります。引渡しの前後は大事なタイミングですから、買主は注意して取引を進めなければなりません。
中古住宅の引渡し時に注意すべき3つのチェックポイントをご紹介します。
1.物件状況確認書・付帯設備表
売買契約書を締結したときに、物件状況確認書と付帯設備表という書面があったはずです。物件状況確認書は、物件の売主がその物件に関する状況を買主へ告知するための書面であり、不具合や雨漏りの有無などが記載されています。
また、付帯設備表は、その中古住宅の売買の対象となる設備を買主へ確認してもらうための書面で、様々な設備の項目名とその有無が記載されています。
買主は引渡しの前までに、現地で対象物件の状況をよく見て、この書面の記載通りであることを確認しておく必要があります。そして、引渡し直後にも現地で物件状況確認書や付帯設備表に記載された通りであるか再度、確認しておかなければなりません。
特に、売買契約をしてから売主が退去する取引であれば、売主が退去の際に取引対象であったはずの設備を撤去してしまったり、新たな不具合を生じさせたりするリスクがあるからです。引渡しを受けてから、現地を見ずに買主が入居することのないように先に確認してください。
買主が入居してから気づいたとしても、買主の入居時に壊したとか、撤去したなどと売主に主張されてしまう可能性もあるからです。
2.売主の瑕疵担保責任の有無と期間と期限前のチェック
中古住宅の引渡しのときに買主が注意すべきなかでも特に重要なことが、売主の瑕疵担保責任に関することです。売主の瑕疵担保責任とは、対象物件に隠れた瑕疵(雨漏りやシロアリ被害など)があれば、売主が補修等の責任を負わなければならないものであり、買主にとっては非常に重要なものです。
不動産会社が売主であれば、売買契約により引渡しから2年以内に買主から売主へ指摘して補修等を要求すればよいのですが、不動産会社以外が売主である場合には、個々の契約により取り決めが異なっています。売主の瑕疵担保責任を免責にする、つまり売主が責任を負わなくてもよいとすることもできますから、買主はそのような条件になっていないか契約時に確認しておく必要があります。
不動産会社以外が売主である場合、売主の瑕疵担保責任を引渡日から3カ月以内の期間に限定して設定することが多いです。1カ月や2カ月ということもあります。よって、買主は引渡し後、速やかにその住宅を細かくチェックして瑕疵担保責任の対象となりうる症状がないか調べなければなりません。
この期間を超えてから発見して売主へ申し出ても対応してもらえないため、できる限り早めに調べるようにしてください。建物のことは専門的でわかりづらいため、第三者の住宅診断(ホームインスペクション)を利用するのは有効な手段です。
本当は、売買契約をする前に住宅診断(ホームインスペクション)を利用しておけば、そのときに指摘された症状に変化がないか、引渡し後に買主自身で確認することもできるため、契約前の利用も考えましょう。
3.境界の現地確認
将来のトラブルを減らすという意味では、この境界の確認は大変重要です。隣地との境界が不明確なまま売買することがないようにしたいものです。取引によっては、境界杭などがないために境界の位置を確認しづらいということは少なくないです。
売買契約書には、引渡し時に現地にて境界位置を確認すると明記されていることが多いですが、これが実行されていないことも多いです。境界位置の認識のずれから、隣地とトラブルになることもありますので、この確認を実行して頂くよう不動産会社に要望しておきましょう。
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