多くの人にとって専門家により住宅診断(ホームインスペクション)を利用する機会は多くありません。始めて利用する人も多いことでしょう。そこで、慣れない住宅診断(ホームインスペクション)の依頼前後や診断当時の流れを紹介します。
1.住宅診断(ホームインスペクション)を依頼する流れ
住宅診断は、購入した物件が見つかったときや居住している自宅を診てもらいときなどに利用することが多いですが、ここでは専門家に診断してもらいたい物件が決まったときから後の流れを説明しています。順序を箇条書きにすると以下の流れです。
- 住宅診断会社にお見積り・日程を問い合わせる
- 日程を調整する
- 住宅診断会社に依頼する(申し込みする)
このうち、住宅診断の料金を確認する(お見積もりをとる)ときに、不明点があれば質問しておきましょう。たとえば、所要時間や立会いの必要性などについて質問する人が多いです。
日程調整はできる限り素早くすることをおすすめします。特に住宅を売買する際に利用する場合、売主・買主・ホームインスペクター(住宅診断をする専門家)の予定を合わせる必要がありますし、場合によっては不動産仲介業者や建築会社の予定まで合わせなければならないこともあるため、素早くしないと関係者の予定が定まりづらいでしょう。
住宅診断会社に依頼した際には、担当者の氏名・資格もきちんと確認しておきましょう。建築士の資格を持っていない者を担当とするケースも見られるので注意が必要です。
2.住宅診断(ホームインスペクション)の依頼後から当日を迎えるまで
住宅診断会社に依頼してから診断の当日を迎えるまでに、できることは準備・手配しておきましょう。依頼した後、住宅診断会社から事前に準備すべき書類について案内があるはずです。基本的には間取り図などの図面の準備を依頼されるでしょう。
この書類をメールやFAXもしくは郵便で指定された送付先へ送っておきましょう。これにより、担当のホームインスペクターが建物の間取りを頭に入れて調査時にイメージを作ってから現地へ来てくれることでしょう。
また、診断の当日に採寸をしたい人はメジャーやメモを自分で用意しておきましょう。住宅診断(ホームインスペクション)で使用する調査器具は担当者が持参するはずですが、自分で使いたいものは自分で用意しなければなりません。
冬など寒いときはスリッパがあったほうがよいです。住宅診断は規模など条件にもよりますが、2時間程度かかることが多いですから、冬にスリッパがないと大変です。小さなお子さんは同伴しない方が無難ですが(預けておくことを推奨)、やむを得ないときは子供を寝かせておける場所がないですから、対策を考えておきましょう。
3.住宅診断(ホームインスペクション)の当日の流れ
診断の当日の流れも紹介します。どの現場でも全く同じ流れとなるわけではありませんが、おおむね以下の流れになりますから参考にしてください。
- 現地など待合せ場所で待ち合わせ
- 立会い者と挨拶
- 調査の流れ(進め方)等をホームインスペクターから依頼者へ説明
- 調査開始
- 調査完了(調査内容・結果の説明)
待ち合わせは、多くの場合、対象住宅の前とすることが多いですが、事前にホームインスペクターと打合せしておきましょう。あえて現場から少し離れた場所がよいという依頼者もおりますが、その場合は理由とともに相談して決めるとよいです。
待ち合わせ後、関係者(その日の立会い者)の皆さんと挨拶を交わしますが、基本的にはこのときに業者間で名刺交換をします。ホームインスペクターと不動産業者や建築業者が名刺交換することに難色を示す人もたまにいますが、社会人の一般の挨拶行為として受け入れておくべきでしょう。
そして、ホームインスペクターから調査の流れ・進め方などについて説明が始まります。多くの場合、建物外部から調査していくことが多いですが、それはその現場の状況にもよることですので、説明をきちんと聞いておきましょう。不明点があれば、このときに質問しても構いません。
それから調査を始めます。調査完了後には、調査結果などについて説明されるはずですが、状況に応じて調査を進めながら説明を聞いていくことも多いです。診断時に他の事(例えば採寸など)をするのであれば、調査完了時にきちんと説明を受けるようにしましょう。
ちなみに、調査完了後の報告書はホームインスペクターが帰社してから作成するのですが、数日はかかります。急いでいる場合は最初の問合せ時に所要日数を確認しておいてください。
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