どうもこんにちは、ザク男爵でございます。
狭小地に建てられる家は、えんぴつのように細長い3階建ての家(通称、ペンシルハウス)が多いです。
ですが細くて長い家を見ると、不安に思いませんか?
「この家、やたら細くて長いけど、地震が来ても大丈夫なの?」
「1階がガレージで空洞ばっかりで、耐震性が心配・・・。」
「狭い土地で作業してたけど、施工不良とかないの?」
マイホームの不安は、住宅診断(インスペクション)で解決できます。
しかし狭小地に建てられた3階建ての家を住宅診断する場合、通常よりも制限を受けてしまう場合があり、注意が必要です。
そこでこの記事では、狭小地の3階建ての家を住宅診断するときの注意点について、解説させて頂きます。
住宅診断を受けてから「こんなはずではなかったのに・・・」と後悔する前に、ぜひ最後までお読みくださいませ。
狭小地とは?どんな特徴があるの?
「私の買った家は、狭小地じゃないから大丈夫♪」
・・・と思っている方。ご注意くださいませ。
もしかしたらあなたの購入した土地も、狭小地に分類されるかもしれません。
狭小地には、次のような特徴があります。ぜひご自身の土地をチェックしてみてくださいませ。
土地面積が20坪以下の場合を指すことが多い。
「狭小地」という言葉に、明確な定義はありません。
ですが業界として、「20坪以下の土地が狭小地」、と言われることが多いです。
さて、あなたの購入した土地は20坪以下でしょうか?
もし「ギリギリ20坪だ」という方でも、狭小地に片足を突っ込んでいるようなものでしょう。
状況によっては住宅診断に制限が出るかもしれないので、受診するときはご注意くださいませ。
狭小地は都心に多い。
狭小地に明確な定義こそないものの、狭小地が多く出現するのは都心(都市部)です。
都心の土地の価格は非常に高いので、建物本体の価格の2倍~ を越えるケースも多々あります。
そのため都心では貴重な土地を細かく分割し、狭小地として販売するのですね。
「購入した土地の広さは分からない。でも都心で買ったよ!」
という方は、高確率で狭小地でございましょう。
限られた土地を有効活用するため、狭小地では3階建てが多い。
狭小地には、3階建てが多く建てられます。
狭く限られた土地を有効活用するためには、上に伸びるのが一番です。
そのため都市部では狭まい土地に、えんぴつのように細長い3階建ての家が立ち並ぶことがあり、独特の景観を醸しだしていまいす。
「3階建ての家」という言葉にどこか都会的な魅力を感じるものの、狭小地の3階建ての家はデメリットが多いです。
- 上下階の移動が大変。
- 広いワンフロアがない。
- 建築コストが高い。
- 修繕、リフォーム、住宅診断が難しい。
など、現実的な問題を直視する必要があります。
狭小地物件の住宅診断(インスペクション)で注意すべき3つのこと。
家の外側の住宅診断の対象範囲は、基礎・外壁・軒裏・ベランダであり、いずれも目視で確認できる範囲です。
そのため狭小地の3階建ての家を住宅診断する場合、次の3つの制限を受ける可能性があります。
- 建物の横側に入れないと、「調査不可」となる範囲が広くなる。
- 3階建ての外壁の高い部分は、目視での確認が難しい。
- 床下に診断士が入れないと、確認できる範囲が狭くなる。
住宅診断を申し込んでからの業者との認識のちがいをなくすため、注意しなくてはいけません。
1・建物の横側に入れないと、「調査不可」となる範囲が広くなる。
狭小地に建てられた家では、しばしば家の横側に入れないことがあります。
住宅診断士が家の横側に入れないと、目視による検査が行き届きません。
そのため建物外観の調査で、「調査不可」となる範囲が広くなってしまうのです。
住宅診断士が家の横側に入れるためのスペースは、40cmを目安とお考えくださいませ。
40cmのすき間があれば、住宅診断士は家の横側に入って調査ができます。ただし、
- ガスボンベ
- 給湯器のメーター
- 室外機
などの障害物があると、40cmのすき間があっても入れないことがあります。
また建物の裏側の住宅診断は、室内を通って裏側に回れることができれば診断可能です。
家同士のスペースが40cm未満でも、間取りによっては診断可能ですので、事前にお問合せくださいませ。
2・3階建ての高い位置の外壁などは、目視での確認が難しい。
狭小地に多い3階建ての家を住宅診断する場合、外壁の高い部分のチェックが難しくなってしまいます。
家の外側の住宅診断の対象範囲は、「基礎・外壁・軒裏・ベランダ」であり、いずれも目視で確認できる範囲です。
3階建ての家の高さは、およそ8~9mであり、地上から目視で確認するには限界があります。
※ちなみに高さ9mのものを調べたところ、「機動警察パトレイバー」の高さが9mでした。
※※「機動戦士ガンダム」は18mです。
ベランダからの目視も実施しますので、「高い外壁をまったく調査できない」、ということではありません。
しかし3階建ての家では、どうしても目が行き届かない部分が出てしまうのです。
3・床下が低く、人が潜れないことがある。
3階建ての家を建てるとき、全体の高さが制限されるため、やむなく床下が低く作られることがあります。
床下が低くなってしまうと、住宅診断士が床下に潜れないので、床下のチェックができません。(点検口から覗いての目視での調査になります)
床下に潜るためには、40cmの高さが必要です。
しかし障害物(配管、床下エアコンなど)があると、床下40cm以上でも入れないケースもあります。
狭小地・3階建ての家も、住宅診断を受けるべき理由。
狭小地に建てられた3階建ての家は、住宅診断時に制限を受けることがあります。
- 家の側面が確認できる範囲が狭くなるかもしれない。
- 外壁の高い部分の確認が難しいかもしれない。
- 床下のチェックができないかもしれない。
「こんなに制限を受けるなら、住宅診断しても意味ないや・・・」
あなたはもしや、「狭小地の3階建ての住宅診断は意味がない」と思いませんでしたか?
・・・ですが、それは違いますよ。
狭小地の3階建ての家も、住宅診断を受けるべき理由がございます。
なぜなら制限を受けたとしても、住宅診断を受けるメリットの方が大きいからです。
調査範囲に制限を受けても、その他多くの部分は調査できる。
単刀直入に申し上げますが、あなたの購入する家(購入した家)に「100%欠陥はない」と言い切れるでしょうか?
おそらく「100%、絶対にない!」と言い切ることは難しいでしょう。
なぜならどんな素晴らしい設計・工法の家も、人の手で作られるからです。
人の手が入る以上、「100%ミスがない」、というのは難しい話でございます。
そこで必要になるのが、住宅診断(インスペクション)です。
住宅診断はハウスメーカーとはちがう中立的な立場から、家の状態を診断します。
客観的なデータで家の性能・施行状況が確認できるため、漠然とした不安に悩むことがなくなります。
たしかに狭小地の3階建ての家では、住宅診断による調査に制限が出てしまいます。
ですが制限が出るとは言ってもそれは一部であり、多くの部分は通常通り調査・診断可能です。
- 基礎(床下の高さによって制限の可能性)
- 外壁(隣の家のスペースにより、制限の可能性)
- 軒裏
- 外壁(建物の高さにより、目視に限界あり)
- 建物内部、室内側
- 屋根裏
家作りは人の手が入る以上、ミス(施工不良)はつきものです。
ですが住宅診断を受けることで、大切なマイホームの不具合を早期発見できます。
外壁や基礎の調査で制限が出たとしても、それを差し引いても住宅診断を受けるメリットは大きいです。
構造計算をしても、現場での確認は必要だから。
3階建ての家では、新築時に構造計算をします。
2階建ての家では構造計算がされないことが多いので、その意味では3階建ての方が安心とも言えます。
しかしご注意くださいませ。
構造計算をしたからと言って、家に不具合がないとは限りません。
なぜなら「計算上は正しくても、間違えて施工する」ことはよくある話だからです。
だからこそ、現場での確認が大切なのです。
「構造計算とおりに、きちんと施工されたか?」
住宅診断を受けることで、計算上の安心だったものが、「現場・現物をチェックした、確実な安心」に変わります。
建築中に住宅診断を受けることで、調査範囲を広げられる。
住宅診断の調査範囲は、建築中の受診により調査範囲を広げることができます。
床下の高さが足りない場合でも、床材を張る前であれば、基礎の確認も可能です。
狭小地で3階建ての家を考えているなら、家が完成する前での住宅診断がおすすめです。
まとめ:狭小地・3階建ても、住宅診断(インスペクション)を。
中立的な立場で調査する住宅診断を受けることで漠然とした不安を、客観的なデータにもとづく安心に変えられます。
ですが狭小地の3階建ての家の場合、住宅診断の調査に制限がでる可能性があります。
- 建物の横側に入れないと、目視で調査できる範囲が狭くなってしまう。
- 3階建ての家では、高い位置の外壁の確認が目視では難しい。
- 床下が低くて入れないと、調査できる範囲が限られてしまう。
住宅診断を申し込んでから、業者との認識のちがいが起きないよう、あらかじめ確認しておきましょう。
狭小地の3階建ての家では制限こそ出ますが、依然として住宅診断の利用価値が高いです。
- 調査範囲の多くは、通常どおりチェックできる。
- 構造計算をしていても、現場での施工状況のチェックは必要だから。
- 家が完成する前の診断なら、床下も確認できる。
狭小地の3階建ての家も、住宅診断が有効です。ぜひ前向きに検討してみましょう。
それでは、また!