パワービルダーが販売した木造2階建ての新築一戸建てにおける住宅診断(ホームインスペクション)で指摘にあがった事例をレポートします。今回、ご紹介する事例は他の物件でもよく見られるものですから、購入前や引渡し前に物件をチェックするときの参考にしてください。
なお、冒頭の写真と以下のレポート物件は全く別のものです。
1.外壁サイディングの診断
住宅診断は建物の外部も対象となりますが、その外部調査のうち外壁面を確認したときに見つかった指摘事例のご紹介です。
サイディングを釘で固定しておりますが、その釘がしっかり打ち込めていない箇所が多く確認されました。上の写真がその1つなのですが、写真ではわかりづらいかもしれません。
釘が最後まで打ち込めておらず、浮いた状態のままになっている場合、雨水が侵入してしまって雨漏りになる可能性があります。また、釘が早期に錆になってしまう可能性もありますから、1つ1つの釘を丁寧に施工してもらいたいものですね。
外壁サイディングの診断では、サイディングの欠損や継ぎ目のコーキング処理を中心にチェックすることが多いですが、釘も確認したいポイントです。
2.ユニットバス点検口の内部を診断
多くの住宅において、お風呂はユニットバスが採用されています。ユニットバスの天井には点検口があるはずですから、住宅購入時には皆さんもこの点検口を開けて内部を確認すべきでしょう。
点検口からチェックできるポイントは、ダクトの取り付け状態や配線の整理状況のほか、柱や筋交いといった構造体の一部も確認できることが多いです。いずれも大事なチェックポイントなのですが、もう1つ大事なものとして断熱材の施工状況があります。
この写真はユニットバスの点検口内部の様子です。浴室と洗面室の間にある間仕切り壁の部分なのですが、ここに断熱材が施工されておりません。
この物件では、この間仕切壁の下側(浴室の下側)を見ることができたのですが、浴槽部分の空隙には断熱材が施工されていることを確認できました。ただ、間仕切壁には断熱材が施工されていないため、その壁の厚みの分は隙間になっています。
よって、断熱性能を発揮するためには、空気の流れをとめること(気流止めがあること)が望ましいと判断されました。
ちなみに、外壁面の断熱材は上の写真のようにきちんと施工されていました。
他にも屋根裏や床下においても断熱材の施工状況を診断していますが、全く問題なく丁寧に施工されていました。浴室の間仕切り壁のところだけが抜けていたので、現場サイド(監督や職人)の知識、経験不足であったと思われます。
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