住宅診断(ホームインスペクション)の質の低下が問題に

住宅診断の質低下?

このウェブサイトを運営するアネストが、住宅診断(ホームインスペクション)をはじめて14年目になります。当然ながら会社として診断ノウハウを蓄積してきているわけで、始めた当初と今とではサービスの質は大きく向上しています。

人材の質と会社の実績や経験は両方が確実に必要なものです。

人材の質・能力 + 会社の実績・経験・ノウハウ

住宅診断(ホームインスペクション)業界の日本での歴史は浅いですが、それでも年々、質が向上していくものだと考えていました。実績や経験が積み重なっていくわけですから、当然のことだと考えていたわけです。

しかし、最近はこの考えと業界の現実にギャップがあると気づきました。

住宅診断(ホームインスペクション)業界全体で見た場合、残念ながら明らかに質の低下が目立っています。その理由は本当に単純なものです。最近は住宅診断をする人の元々の能力に問題があるのです。上の式でいうところの「人材の質・能力」の部分の問題です。

住宅診断(ホームインスペクション)という業務は非常に専門的なものです。たとえば、診断業務の経験がない設計事務所から「調査経験がないので代わりに診断してほしい」と頼まれることもありますが、建築士であっても経験やノウハウがなければ簡単にできる業務ではありません。

それにも関わらず、建築士の資格も持たず、建築現場の経験もあまりなく、この業務を開始する人が増えているのです。たとえば、建築設備系の仕事をしてきたとか、官庁施設や商業ビルの設計をしてきたとか、店舗設計をしてきたという経験だけでは、基礎能力が不足しています。現場経験が少なく、設計ばかりしてきたという人も厳しいです。

住宅とビルや店舗は違いますし、設備をメーンとして仕事をしてきて建物全体を診断するのも無理があります。

さらにひどいことに、営業出身であるとか営業サポート的な設計者が監理などの現場経験もなく始め手しまうケースもあります。

こういった経験不足の人でも民間資格(住宅診断・建物調査に関する資格)を取得して、業務開始しているのですが、資格を取得しただけでは業務遂行は無理があるというものです。資格があれば、知らない人から見れば専門家のように思うようですが、こういった資格の取得はそれほど難しくありません。

建築の現場経験の無い人でも(営業の人でも)勉強して合格している人も多くいるのが現実です。誰もが簡単にプロに見えてしまうのですが、現実的に住宅診断(ホームインスペクション)を適切にやっていくだけの能力が無い人が相当な数、含まれているので困ったものです。

低価格であったり、不動産会社が自ら診断したりするケースで、こういった人たちが住宅診断をしていることがあるので、見極めが大事です。せめて建築士の資格があることを確認し、そのうえで住宅の新築やリフォームの設計・工事監理の経験が十分にある人であることを確認しましょう。HPで業務経験を公開していると安心材料になります。

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